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2010年10月 4日 (月)

薬師寺とリーガロイヤルホテル京都

9月19日と22日に東京と奈良の薬師寺で歌った。
今年の薬師寺の観月会の奉納コンサートに
僕を選んで下さった。

東京の五反田に薬師寺別院があり、そこの庭に
美しい御影石の舞台がある。
黒く光る石の舞台はそれだけ見ていても幽玄な
雰囲気を醸し出しているが,当日はすすきの花の垣根が
その舞台を囲む様に立てられて、その間には
大きな和蝋燭の明りが揺れていた。

その前には三方にのせたお月見団子とお供え物
が並べられ、昔ながらのお月見の用意が出来ていた。
その御影石の花道を走りながら
パダンパダンを歌ってその夜のコンサートが
始まった。
クミコさんがもう一人のくみ子さんと一緒に
聞きにきてくれた。
嬉しかった。

奈良の薬師寺は広い敷地に東西二つの塔がある。
そのうちの一つ東塔は奈良時代の建造物でまさに
1300年の月日を生きて来た素晴らしい
木造の塔である。
その前に薬師寺如来がおられる金堂があり、
大講堂を含めてこの場所は白鳳伽藍という。

その後ろに三蔵法師のお骨が収められている
玄奘塔や大唐西域壁画殿がある玄奘三蔵院伽藍がある。
この敷地内で僕は歌った。

その日は予報を裏切って真夏の様な晴天の中
次々と信者の方がおいでになり写経をされ、
野点のお茶を頂いた後管主の法話、食事そして
玄奘塔での法要。礼門から塔までに配された萬灯籠
と蝋燭の明りの中で薬師寺の僧侶全員による読経の後、
僕は歌いだした。

僕は野外向きの歌手ではないと
ずっと思っていた所為もあり、
フランスでも野外はほんの1,2回しか経験がない。
野外の公演は音響の問題などスタッフ側は
難しい事が一杯ある。

今回東京と奈良で歌っている間、ずっと
天空の何処か遠くに僕が,僕の歌が繋がっている
ところがあって、そこから誰かが手を差し伸べて
僕の手を,僕の歌を包んでくれた、と思う様な
感覚があった。
ふとイタリア、システィーナ礼拝堂にある、
ミケランジェロが描いたアダムの創造のごとく、
天空の指と僕の指が触れた様な気分を得た。

ともかく気持ちがよくて室内のコンサートでは
味わえない開放感があった。

東京では月は静かに僕を見守っていた。
奈良では主役を時々僕に譲るように、
雲間に隠れてはまた顔を出し
コンサートの演出を多いに高めてくれた。

その夜小椋桂さんがその日の為にと
僕に作って下さった歌、望郷帰心を歌った。
1300年前に奈良から唐の都に渡り
故郷を思いながら亡くなった阿倍仲麻呂の心情と
30年異国で生きて来た僕の心情を重ねて
書いて下さった,この歌を歌うにはこの上もない
素晴らしい背景があった。

全国ツアー中の小椋桂さんもわざわざ立ち寄って下さり
ステージにも出て来て頂き、僕は嬉しく、お客さんには
とびきりのハプニングだった。

最初は薬師寺関係のお客様だけの催しだったのを
お寺のご好意で僕のファンの方々にも門を開けて
下さり、700名のお客様が来て下さった。

ありがとうございます。

その1週間後、京都リーガロイヤルホテルでのデイナーショー、
今年は19年目になる。
19年もの長い間、僕を毎年招聘し続けて下さっている。

今年も昨年同様ピアノの鈴木厚志、ドラムスの服部正美、
それにマレットピットの宅間兄弟が奏でる、ビブラフォーン
とマリンバがサポートしてくれた。

日本中誰もが知っているスターでもないこの僕を
19年もの間毎年,大きな広間でディナーショーを
開催してくださり、この長い間お客様も毎年
来て下さるという幸せを僕は頂いている。
来て下さった大勢に方々に
改めて御礼を申しあげたい。

ありがとうございました。

来年は20周年になる。
やはり9月に決定した。
とびきりの趣向と演出を考えて
20周年を皆様とお祝いしたいと思っている。

10月は恒例の有馬温泉、兵衛向陽閣での
パーソナルコンサートが28日に行われる。
温泉に入って,僕の歌でも聞こかいな、と
思われる方はぜひお出かけ下さい。
予約;TEL:078-904-0501

関西でのコンサートは12月23日、
なら百年会館でのクリスマスコンサートが待っている。
平城遷都1300年の催しの最後を飾らして
頂くので、楽しく行く年、来る年を送り、向かえる
コンサートにと考えている。

急に涼しくなって来た。
もうあの暑さが少し恋しい。

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コメント

菅先生、儚い幻のような方でした。もう40年程前に、幼かった私は「まり=Marie」という名前を気に入っていただいて、よく遊んでいただきました。毛皮のマリー、ヒナゲシの花、詩人の死んだ朝、ムッシュー・?(自殺してしまう旦那様)、ピエロ&ピエレット、ほら、音楽家達だよ、などの美しい歌をいつも歌っていただきました。戴いた犬の縫いぐるみは長い間大事にしていました。マンションの一階のご自宅では、いつも美味しいお蕎麦とケーキを戴きました。。。

投稿: | 2010年10月 9日 (土) 06時04分

ワサブローさま、こんにちは!
先日、初めてリーガロイヤルでのディナーショーを見せていただきました。


アーズローカスとは違う、よそ行きのワサブローさんのステージに眩しさを感じました。
「マリーマリー」は古いモノクロ映画を観ているような懐かしい気分に、
「水に流して」は大きな劇場で聴かせて頂いている高揚感が。。。
大好きな中原中也の「生い立ちの歌」が始まると、一人で昔の詩集のページを繰っているような、不思議な気持ちにさせられました。

「望郷帰心」は深く心の奥底に残る素晴らしい曲ですね。また聴かせて頂きたいです。

繊細で包み込むような歌声に、花のような艶やかさが伴っておられて、MALLET×PITの弾むような演奏と共に、忘れられないコンサートになりました。

たくさんの感動と楽しい時間を、ありがとうございました。
次に聴かせて頂ける日を、楽しみにしております。

                       Marie  

投稿: Marie | 2010年10月 9日 (土) 10時09分

Marieさま、

リーガロイヤルホテルのディナーショーに
お越しいただき誠にありがとうございます。

アーズとは一寸違う僕を見て頂けた事も
嬉しいです。
小椋さんの望郷帰心は多くの人に聞いて頂きたい
歌です。
珍しく,頑張ってみよう!なんて常の僕には
似つかわしくない言葉が出て来ました。

寒くなって来ましたのでどうぞお気をつけて
お過ごし下さい。

次回のアーズローカスは11月19日です。
ワサブロー

投稿: ワサブロー | 2010年10月10日 (日) 21時00分

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