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2010年5月 3日 (月)

フランスの春

僕は寒いのが大の苦手でとにかく暑ければいいという
人に言わせれば、特異体質のようで、
冬の後ひたすら春を待っている。
今年の様に寒い冬がいつまでも居座っていると
心まで冷えていくようで大変辛い。

昔はフランスと日本の温度差、季節が廻る速度は
少しづつずれていた様に記憶しているが
この頃は同時進行で季節が移ろう様に感じるときが多い。

今年の日本の寒さはパリも同じで皆口を揃えて
今年の冬は厳しかったと言っている。
そういってもパリのアパートは部屋全体が
、セントラルヒーティングでなくても暖かくしているので
家の中にいて足下が芯から冷えてくる様な
寒さを味わった事は無いが日本は寒い!

特にいま住んでいる僕の京都の家は古い町家なので
どことなく入ってくる隙間風が常にあり、
もちろん家全体を暖める事は不可能なので
体全体で家の中にいながら<冬>を一杯感じて
くらすことになる。

とびきり寒く凍り付いた東京を飛び立って
パリに戻ってみると思いのほか暖かくて
久し振りに気持ちのいい4月だった。

30年もパリに住んでいる僕の記憶では
4月にパリでTシャツ1枚で過ごせた年は
1、2年しかなかった様に思える。
なぜ記憶に残っているかと言えば
1981年に初めてプランタン・ド・ブールジュ
というフランス最大の音楽祭に出演した。
4月初旬でフランスの中央に位置する古都、
ブールジュの街はいつもの静けさが嘘の様に
ヨーローッパ中から来た人達で溢れていた。

素晴らしく気持ちのいい気候で初夏を感じる
青空の下、この寒がりの僕がTシャツ1枚で
スタジオやインタビューに答えていたのを
覚えている。
それから5回も同じフェスティバルに出演する機会を
得たが、毎回雨が降ったり、晴れていても寒くて
一度もTシャツ1枚で過ごす事は無かった。

勿論年齢の差もあるだろうがここ25年来
世界中の気温はきっと安定しなくなっているのだろう。

僕は35年前に初めてフランス生活を始めたとき
2月に行ったので寒く、曇り空しか見えないパリの
毎日で気持ちも曇りがちだった。

4月になると空気ががらりと変わり
街にある寒々とした木々に緑の若芽が吹き出し
町中がキャンバスのごとく、そこに思いっきり
春の色彩で絵が書かれたように日々緑が溢れ出し、
見る見るうちに,マロニエやリラの花が咲き乱れて
素晴らしい光景が目の前に広がった。

日本では目にした事の無いまさに<春>の
到来であった。
それ以来僕にとって<春>のイメージは
パリのこの花々と一体になっている。

今年はSceauxという古くからの街にすむ
友人の家に長く御邪魔しているのでこの街
にある古い家々に囲まれて暮らしている。
この街の春は,リラとマロニエとそして
家の門に這う様にして咲き乱れる藤の花である。

リラとマロニエはきっと日本の皆様もフランスの
イメージとして持ってられるだろうが,藤の花は
以外ではなかろうか。
僕は初めてフランスでこの光景を目にしたときは
とても驚き,そのときこの藤の花、Glycine de chine
というフランス語も同時に覚えた。

僕にとっては藤の花は最も日本的なもので
特に日本舞踊家だった母の影響で長唄の藤娘と
芳村伊十郎の素晴らしい歌声と共に藤の花は
頭の中に収まっているので、
フランスでこの花が好まれ,特にブルジョワの
家には古くから紫と白の藤の花が植えられている
のを目の前にして不思議な違和感を覚えた事を
思い出す。

今年もこのsceauxソーの街にある旧家の
門の前には紫と白の藤の花が咲き乱れている。
今日僕はパリの14区に出かけたが
そこの京都の路地の様な一角にも藤の花が
美しく咲いていた。
この路地は良く撮影に使われるので
ご存知の方もあるかもしれないが
写真を撮ったので載せておく。

ちなみにフランス語での藤の花Glycine de Chine
は中国の藤という意味で,フランス人に言わせると
藤色のは中国産で白は日本産らしい。Image_5

Cazzzwbs

         【ソー市の家の前の藤の花】

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コメント

はじめまして
8日の宅間久義さんのリサイタルで、ワサブローさんの歌をお聴きし、大変感動しました。いろいろなコンサートに行っていますが、歌を聴いて涙が頬を伝わっていることに気づいたのは、本当に久しぶりのことです。早速友人たちに報告してしまいました。
こんな感動をさせてくださったワサブローさんのことを知りたくてHPを検索し、ここにお邪魔しました。これからもたびたびお邪魔させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

投稿: 衣 | 2010年5月11日 (火) 04時47分

ワサブロ-様
 こんにちはsign01
先日、5/9の「宅間久善マリンバコンサ-ト2010」素晴らしかったです。 マリンバのコンサ-トは、初めての経験でしたが、大変迫力が有り、改めてマリンバ奏者の凄さを知りました。
 そんなエネルギッシュな競演の中でのゲスト出演で、ワサブロ-さんは3曲歌われ、また違ったエネルギ-で、とても素敵でした。
 ワサブロ-さんの世界…パリの匂いがするオ-ラと、京都の深い柔らかなオ-ラを放って歌われる歌に感動致します。
3曲歌われた中の1曲で、
  宅間久善 作曲
  ワサブロ-  作詩
の「ハヤテnote」すごく良かったです。
これからの予定で、この「ハヤテnote」と言う曲に、日本舞踊が入り、マリンバ演奏とワサブロ-さんの歌の共演のDVDをお出しになるとの事、楽しみにしております。

 ワサブログで、4/22のパリでのフェスティバルは、日本のライブとは大分違う雰囲気のようで、その感覚や思いが伝わりました。
色々と想像出来ました。
   頑張って下さい。

5/8の「NHK地球ラジオにっぽんチャチャチャ」のご出演、生放送ではなかったのですが、パリからのお話が聞けて、臨場感が有り、楽しい時間でした。
テ-プに録音、上手くいきました。

 これからもワサブロ-様の世界を楽しみにしております。 コンサ-ト楽しみにお待ちしております。

 お体を大切になさって、益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

投稿: 凛々 | 2010年5月14日 (金) 14時56分

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