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2010年1月 8日 (金)

新年のご挨拶の続き

これは先に書いた今年初めてのブログの言い訳です。

僕は長年のフランスでの習慣の為、この新年の挨拶とか
賀状の時間差が日本のそれとなかなか縮まらない。
何でも鷹揚なところのあるフランスではだいたい
新年の御挨拶も賀状も2月中はOKである。
勿論クリスマスと言う日本で云う新年のような
祝い事が先にあるので全く日本の場合とは同じではないが。
そんなこんなでいつも僕は年が明けてから
おめでとうございますという気持ちに初めて
なってくる。

12月は初めてのインストアーライブなどという
激動の街頭インストアーツアーと東京六本木での
豪華なホテルでのクリスマスディナーショー
というこれまた天と地の様な時間を生きたため
精神も体もとまどってブログにまで到達しなかった 。

とにかくベストのコンディションを守ることが
精一杯で毎朝目をさまして第一声が自分の良く知っている
声で発声出来るとほっとして一日が始まった。
虎の子を抱いている様な気持ちで過ごしている僕の
前でデパートの地下の売り場などで若い兄ちゃんが
大きなハリのある声で<さあ〜〜今日は鯛がとびきり
どっせ!早う買わんと売れてしまいまっせ!!>
と怒鳴り散らしているのを聞くとあんな怒鳴って明日
声が出えへん様になっても別に彼にとっては
どういうことはないんやろなあ。と羨望の眼差しを
なんど差し向けたかわからない。

街頭インストアーライブと大変豪華な東京六本木の
ホテルでの大きなクリスマスディナーショー。
一つは縁日のテキ屋的なもの、要するに寅さんである。
もう一つは例えばパリの宝石店カルチエ本店での買物か
モナコの最高級ホテルHotel de Parisの中にある
アランデユカスのレストランルイ15世での食事の様な
ものである。
この全く異質な二つの世界を同時に共有しまた生きるのは
大変難しい。

スーパーマーケットの一盛り幾らの商品が急に
高級百貨店の特売場に並ぶ様なもので
商品は同じもので少しも変わらないがお客さんの
商品を見る目が違う。
年末の寒空で脇目も振らずに目の前を通って行く大勢の人達の前で
<さあ〜〜!買うてや!買うてや!>と
呼び込みをしながら僕は売り歩き、
別の日には素晴らしいドレスの方達が気持ち良く
ディナーをされた後、僕は燕尾服を着て同じ商品を
きちんと聞いて頂ける方たちの前で披露した。

どちらも崖っぷちの修羅場に変わりはない。
間違えれば落ちて死ぬ。
僕の場合はもうこれからの新しいアルバムは
なく仕事も何処からも来なくなる。
そういう意味では、僕の様な歌手にとっては
テキ屋もディナーショーも全く変わりはなく
同じく命をかけた戦場だと身にしみて感じた。
そしてこのようなA級の格差を生きられ、体験
出来る事自体珍しく人生に感謝と云うところであろう。

風邪にしろ何にしろ声がなくなるのは
戦場で武器がなく素手で闘う事になるので
とにかく最後の仕事までどうぞ無事にとだけ考えて
毎日を過ごしてしまいブログも何もかも勿論賀状も
クリスマスカードさえも全く忘れてしまっていた。
昨日のブログに書いた様に声が出なくなって
久し振りに誰とも会わなくて寝たり起きたり
の毎日の中で急に思い出して昨日ブログの更新をした。

今日お二人もの方が僕の喉の状態をご自分のことの様に
心配して有り難いコメントを書いて下さった。
もうお一人からはメールが届いた。
本当にありがとうございます
一応ポリープもガンも出来てない様子で
いま抗生物質と炎症止めなどをもらって
治療中です。
声はすこしづつ戻って来たようです。
僕は極度の心配性とその上に京都弁で云うところの
<いらち>せっかちで
バス停で来ないバスを同じバス停で待ってられなくて
歩いて次のバス停まで行くと何となく待ち時間が
短くなる様な気がして無駄と言われても
(勿論歩いていても座って
いても待っている時間に変わりのないことは
わかっているんですが。。)そうしてしまう性格なので
どういうものでも時間と共にゆっくりしか
改善しないことが一番気性に合わない。

でも総てのもに対してではないのは、僕自身の
生きて来た人生を見れば明らかな通り
一つのことを30年もかけて仕上げていて
、いまだきっちり仕上がっていないことに
そんなにいらだちは無い。自分の才能を知っている
だけにいらついてもどうしようもないと解っているからだと
思うが。

ちょっと話がそれてしまったが声は何とか戻って来ている。
かすれてはいるが一応通常の音域の発声は出来る様に
なった。でも滑らかではなく自分にとっては歌を歌える
状態ではまだ無い。

もう少し待てということであろう。

ご心配をおかけして申し訳ありません。
僕のうたをこんなに心配して頂く程気に入って
下さり大変幸せです。
新年になっての最高の幸せを頂いた気持ちで
嬉しくて仕方がありません。
毎年、今年はもうだれも聞いて下さる方がおられるないかも
しれないという恐怖で新年を迎える。
今年もこの恐怖と合わせて声が出ずに歌えなくなるかも
しれないという2重の恐怖で1週間を過ごした。

今日頂いた3通のお言葉で今年も歌おう!
声は出るぞ!
と元気になりました。

今年は新しいアルバム<エトランゼ>の
プレゼンテーションライブで初歌いが15日に始まります!
またライブでお目にかかれる日を楽しみにしています。
ことしもどうぞ宜しゅうおたの申します
寒さが続きそうです。
皆様、くれぐれもお大事に!

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日記」カテゴリの記事

コメント

ワサブローさん、あけましておめでとうございます。
年末年始にかけて風邪をひかれて発熱もあって散々でしたね、
だんだん治りかけてきているようでほんとによかったと思います。声のお仕事なのでずいぶん心配されたと想像いたします。でもお忙しい日々の中たまには小休止も必要ですよ。お正月なのですからゆっくりたくさんの休養をとってもバチは当たりません。お薬にトローチというくだりには・・・もう少しちゃんとした薬をくれたらよかったのに、です。
では、今年も元気にご活躍されますように。また深い思いが感じられる歌に期待しています。

投稿: カギっ子 | 2010年1月 9日 (土) 17時52分

Merci beaucoup
実は、ワサブローさんからいただいたお返事、
あまりのサプライズに、夕べは混乱しておりました。
丁度そのとき、友人からアルバム(エトランゼ)の感想が入ってきました。もちろん、そのまま書きます。
(受)早速、聴いてみました。
好きな詩「朝のリレー」もあって感激しました。
前作同様、仏語、和訳と歌詞カードがとても丁寧で、
ワサブローさんのお人柄が感じられます。
紹介してくださってどうもありがとうございました。
前作も発音がとっても美しく、聴き入ってしまいます。
(送)ウッキー!!ワサブローさんから直接メールをいただいて
ルンルンの夜なんですよ。
(受)良かったですね、今夜はいい夢見れますね。来週、お話しを聞かせてくださいね。
(送)いやぁ~あの~それ~ほれ~、ははは、にやけるわ~
と詳細もないメールを送るのがいっぱいいっぱいでした(苦笑)
この日は初レッスン、彼女は一緒に仏語を学んでいる仲間です。
先日のインストアーライブに行った彼女も仲間です。

そしてまたもやのサプライズ。
朝から泣きました。
読み終えて、固まってしまいました。
それから、安堵して嬉しくなりました。
些か弱いおつむは混乱を極め、逆回転もままならず、
この想いをどのようにお伝えすればよいのやら、こんなときにハグの習慣があるならば、伝える言葉もなく一挙解決やん。
けれど、残念ながらそれはない。
ワサブローさんから、あまりに大きなプレゼントをいただいて、
思わず口もとが緩み、締まりの無い状態でございました。

大晦日早朝から、まさかのダウン。
今年はいつもと違う新年を迎えておりました。
やっと食欲も戻ってきており、復調にむかっています。
明らかに、年末の寒さ(冷え)です。
今日の神戸は少し寒さも緩んでいます。
いただいたお言葉でわたしの気持ちは暖かくなりました。
Léna

投稿: レナ | 2010年1月 9日 (土) 19時05分

カギッ子さま、コメントありがとうございます。
色んな方にご心配をおかけしてあまりこういう内容のブログは
良くないな、と反省しています。もう書いてしまった以上はきっちり
良くなったところまで書きます。まだ本調子ではないものの何とか
声を出してみると歌に聞こえる様になってきました。
今年もまた良いフランス語の歌はフランス語で、美しい日本語の歌は日本語で歌いたいと思います。特に日本語の良い歌を見つけて歌ってみたいと思っています。勿論フランス語の歌も忘れません。またライブで
お会いしたいと思います。

投稿: ワサブロー | 2010年1月 9日 (土) 21時00分

はじめて、おたよりします。よろしくおねがいします。実は、NHKラジオ歌謡の曲目を調べていて、昭和23年3月にサトウ・ハチロー作詞、越谷達之助作曲の「新しき姿」というラジオ歌謡を歌っている人の名が「菅 みさを」となっていて、同年7月に宮沢章二作詞、宮原禎次作曲の「幼いひとみ」をうたっている人の名が「菅 美佐緒」となっている表「国民歌謡ラジオ歌謡大全集 保田武宏編(コロムビア)」があります。私には、どちらも、菅 美沙緒さんの間違いではないかと、思うのですが、ご存知でしたら、ご意見等をお聞かせ願えれば幸いです。よろしく、おねがいもうしあげます。

投稿: ラジオ歌謡を愛する男 | 2010年5月 4日 (火) 17時18分

訂正箇所はありません。

投稿: ラジオ歌謡を愛する男 | 2010年5月 4日 (火) 17時24分

ラジオ歌謡を愛する男様、
菅先生の1950年以前の事は私も私の周りの古いお弟子さんたちも
あまり詳しく知ってられる方がもう残っておられませんので確かな情報を差し上げられませんが越谷達之助の曲に関しては多分先生のものだろうと思います。先生は戦前戦後にビクターなどに所属してられましたのでレコードも録音されていると直接聞いています。越谷達之助の書いた石川啄木歌集も歌われているので(その時の譜面は僕が頂いて手もとにあります)きっとサトウハチローの詩も先生の歌われたものだろうと思います。
いつから菅美沙緒に統一されたのかわかりませんが、きっと戦前は菅みさをと書かれた事もあったのではないでしょうか。菅美佐緒は間違いでしょうか。、、また何か情報を得ましたらお知らせ致します。

投稿: ワサブロー | 2010年5月19日 (水) 01時37分

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