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2009年12月 4日 (金)

インストアーライブ

京都はそこかしこにあるお寺や神社の境内の紅葉が美しく
色づき初め、街を取り囲む四方の山も錦織の反物のように
美しく彩られている。
紅葉の季節に日本にいるのはとても幸運だと友人の
日本をよく知っているフランス人に言われた。
これもまた日本びいきのフランス人によって
気がついたことだが日本の大半の紅葉や楓はヨーロッパや
カナダのいわゆる<メープル〜フランス語ではerable
エラーブル>とは全く種が違い、
従って趣も全然違ったものになる。
日本の紅葉や楓はヨーロッパやカナダのそれよりも
葉がずっと小さく小さい葉が寄り集まって
点描画で描かれた様な光景を作り出している。
この間も友人のフランソワと紅葉狩りに出かけた折り
(僕も忘れていたこの<紅葉狩り>という美しい日本語を
フランソワは覚えていて”ワサ、紅葉狩りに行こう!”
と誘われた>しきりに<ああ!きれい!これはいわゆる
繊細なるものの重なりあって出来る日本特有の儚い美しさで、
櫻の花の美と全く同次元の美しさやなあ!>まあ
、スランス語だったんでこのままの口調とは違いますけど
おおまかこういう風に言ってました。
異なった文化で育てられた目や耳が見聞きするものは
全く違った角度からとらえるので時折思いもしない
視点でそのものにスポットが当たることがあり
非常に興味深い。このフランソワの紅葉の美学も
僕は言われて初めてはたと気がついた。
僕も新しいアルバムの中で歌っている与謝野晶子の
<晩秋>の中にも
<櫻の紅葉、柿紅葉、ポワンチュリスとの絵が燃える>
という一節がある。この光景を新幹線の中から垣間みながら
僕は先月からインストアーライブというものを行っている。
フランスではあまりお目にかからない光景だが、
新しいアルバムを発売した歌手がいろいろな土地に出向いて
その街のCD店の店頭で宣伝を兼ねて歌うことである。
昔は(今でもやるようだが)大方、レコードやさんの店内で
やっていたことから<in store インストアライブ>と呼ぶ様に
なったらしい。
語源はともあれこのインストアーライブには
結構気骨と精神力が要る。
何故かと言うと、ズバリ大道芸人またはテキ屋になりきって、
道行く人々の中で店を開いて、その人の流れを自分の方に
引き寄せて芸を披露してその上にCDを売るという特殊な
条件の中でこれまた少なくとも特別な技がいる、と僕は思う。
昨年八重洲地下街で同じ様なことをした時に少しの
免疫が出来ていたのでそんなに緊張はしなかったが、
それでも易しいことではない。
通常聴きに来られている人だけがおられる場所で僕は歌い、
歌っている前で大声で話したり、ちらっとも横も見ず、
振り向きもせず前を通っていかれる人の流れの前で
これまた何事も通常のごとく歌うことはない。
その上出来うれば自分自身の中に入り込んであたかも
酔いしれているような様子が人を惹き付ける。
テキ屋のように<さあ!いらっしゃい!いらっしゃい!>
とは言わなくても、代わりに歌で、いらっしゃい!と
呼び込む様なものである。
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東京成城コルティ

それでも座って聞き入って下さる方、終われば声をかけて
下さり、あるいはCDまで買って帰って下さる方もおられて
新しい出会いと共に道行く人々の心理状態まで垣間みる
ことが出来る希有な機会なので
キャンペーンとはかくのごとし、肝に銘じてお勤めなされ!と
言い聞かせて行っている。
あたらしいCDを多くの方々に聞いて頂きたい思い一すじ
というところである。
今年はこの後、12日に神戸に行きその後23日は京都桂
のジャイアントモールというかセンターというのか
そこでは僕だけのステージではなく、演歌歌手の方と
ゴスペルの若い男性のグループと時間を変えての
出演になっている。
詳しくはサイトのスケジュールに明記されている。
12日は土曜日23日はクリスマス前の祝日である。
お近くにお住まいの方お時間のご都合が付けばぜひ
覗きに来て頂きたい。
いつもとは違うワサブローがいると思うので。

Photo
川崎ラ・ゾーナ


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日記」カテゴリの記事

コメント

今日はお目にかかれて、少し浮かれてしまいました。
次の予定があったのに、遅刻されていたらどうしょうと心配していました。
洛西へは是非是非寄せて頂きます。
ありがとうございました。

投稿: きよえです | 2009年12月 5日 (土) 23時20分

12/23、京都市洛西ニュータウンのラクセーヌで、通りすがりにあなたの歌を聞きました。「わたしが一番きれいだった頃」というのを歌われていました。「わたしが一番きれいだった頃、男たちは誰も見向きもしなかった」というところは、ありきたりな青春の傷みとして聞いていたのですが、その次に「わたしが一番きれいだった頃、私の国は戦争に負けた」というのを聞いたとたん、思わず泣いてしまいました。
私の父母はもうとっくに亡くなりましたが、彼らがまだ20代だった時に国は敗戦、絶望と貧窮の中で、私たち兄弟三人を立派に育ててくれたのでした。
それに比べて、自分は何とだらしない人生を送っていることか?思わず「お父ちゃん、お母ちゃん!」と叫びそうになり、店の外に出てしばらく泣いていました。声が漏れてしまったので、そばにいた人が変な目で見ていました。
24日には、仏壇にケーキとブーケをお供えしました。いい歌をありがとう。

投稿: やすだ | 2009年12月26日 (土) 15時43分

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