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2009年6月13日 (土)

妻を帽子に間違える男

<日本語が亡びるとき>とほとんど同時に
オリヴィエ・サックス著<妻を帽子に間違える男>
〜olivier sacks L'homme qui prenait
sa femme pour un chapeauも読み終えた。
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これもまた非常におもしろい本で多くの事を教えてくれた。
著者のオリヴィエ・サックスはイギリス人の脳神経内科医
で同時に心理学者でもある。ご存知の方も多いかと思うが
アメリカ映画<レナードの朝>の原作者である。
[]

この映画ではロバートデニーロが嗜眠性脳炎症の患者を
好演していた。
僕が読んだこの本は彼の患者のレポートであるが
素晴らしいインテリジェンスと文学、科学数学から
音楽絵画にいたるまでの博識とその上の文才のお陰で
すべての臨床例が詩情と人間味にあふれ
僕の様な脳医学に何の見識もないものでも記憶喪失、
自閉症、サヴァン症候群患者などよう様な特殊な
症状の構造がわかる。
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表題の<妻を帽子に間違える男>は声でしか相手を
識別出来なくなった人の症例で奥さんを自分の帽子と思い
顔をつかんで頭に被ろうとしたり、道の消防用水路に
話しかけたりするが本来は声楽家で歌の歌詞や譜面は
問題なく覚えて、読んで素晴らしく歌えるのに。
[]

その他にも、ある日突然犬と同じ嗅覚が身体に備わり
30メートル先からでも、いま診察室に待っている
多くの患者を匂いで識別出来る能力が備わり、
それが数ヶ月も続いた医者の例など多くのいまだすべてが
解明されていない脳神経系統の病気の謎が綴られている。
残念ながらフランス語なので誰にでも勧められないけれど
もし日本語翻訳が出版されていれば是非読んで頂きたい。

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