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2009年4月26日 (日)

レコーディングが終わりました

レコーディングが終わった。
僕にとって今回のレコーディングは2つの理由で
記念するものになった。
一つは、初めての日本でのレコーディングということ。
今まで何度もレコーディングの経験はあっても
すべてフランスで行って来たので
(一度インディーズで作ったアルバムは日本で録ったが、
スタジオではなかった)日本のスタジオで、
日本のレコーディングエンジニアの方と一緒にの録音は初めて。
まあ、おおまかには大してフランスとは差がないが
やはり細かい所に日本人特有の気遣いなどがあって
気持ちがいい。
でも気遣いは有り難い半面、こちらも気遣ってしまうので
時には面倒にもなるが、
やはり気遣いはある方が有り難い。
それにこれは録音とは関係のない事だが
日本特有の出前というものがあり色んな店から毎日違う
メニューを選んでスタジオに居ながらにして食べられるという
贅沢がある。
録音に関してはこのごろはデジタル録音なので
どんな事でもと思えるくらい
色んな事が出来てしまうので、
ついやり直しも多くなってしまう。
一つのフレーズが思う様に行かないからと言って何回でも
納得いくまでやり直しをしたくなってしまう。
きっと他の人からすればなんで直したくなるのか、
何処が気に入らないのかわからない様な所にこだわって
歌い直しをしてしまう。
それをじっと我慢して付き合って頂けるエンジニアの方は
いつも偉い!と感心している。これはフランスでも同じで
エンジニアはみんな我慢強い。きっと内心、
何遍やっても同じやないの?と思っている事も
あるんだろうと思う。
でも、もう一度お願いします!と言うと、どうぞ!と
嫌な顔一つしないで付き合って頂ける。
今回も超我慢強いエンジニアの方に付き合って頂き
気持ちよくレコーディングを終えさせて頂いた。
そして良い音に仕上げて頂いた。
もう一つの僕にとって記念すべき理由は、
初めて日本語の歌が三分の二を占めるアルバムになること。
今までレコーディングできっちりした日本語の歌を
録音したのは平城山とさだまさしの夢の木の下での
2曲しかない。
ヌガは日本語だが仏語からの翻訳でそれも僕が書いていて、
仏語の乗りの歌なのでまあ純然たる日本語とは言いがたい。
ところが今回はアルバム13曲の内8曲が日本語の曲で
それも5人の日本の詩人が書いた素晴らしい詩に
曲が付いたものばかり。
大きな決心と、腕まくりを必要とした。
与謝野晶子の詩3編、君死にたまふことなかれ、晩秋、薄暮
茨木のり子の詩2編、生きているもの、死んでいるもの、
私が一番きれいだったとき、
中原中也1編、生い立ちの歌
谷川俊太郎1編、朝のリレー
石川啄木1編、初恋の8曲。
与謝野晶子と茨木のり子の詩には吉岡しげ美が曲を書いたもの。
石川啄木の詩には越谷逹之助が曲を付けた
あの有名な歌曲である。
そして中原中也と谷川俊太郎の詩は美野春樹と宮前千永子に
それぞれ今回曲を書いて頂き僕のオリジナルの歌になった。
初めて日本語でレコーディングをしてみていろんな事に
気がついた。
もちろんフランス語とは声の出し方から違うのだが
よく聞くと僕の発する日本語の子音にはフランス語の影響が
少なからずありそれが時折自分には耳障りに
聞こえてしまうことも発見した。
いやあ〜実に難しかった。
でもやり終えた充実感は大きかった。
ついでにここで他の曲も明かしてしまおう。
さだまさしの曲が3曲、異邦人、掌それに有名なコスモス、
3曲ともすべてフランス語の歌になっている。
<異邦人>はパリにいても京都にいてもどちらにいても
ワサブローは異邦人というワサブロー物語の様な歌になり、
<掌>は原詩と同じ様な仏語版になり、コスモスは
<愛はどこへ行くのだろう>という内容に変わっている。
コスモスと聞いて日本人の様にあの花を
思い浮かべるフランス人は少なくましてや
コスモス→10月→嫁入り→実家を出る
という様な発想は現代のフランス人にはない。
その上にさださんの原曲は映画の1シーンの様な歌で多いに
センチメンタルなのでこちらもフランス語では今ひとつ深みが
出しづらく、思い切って全く別の歌にしてしまった。
僕が知る限り彼の曲をカバーしている人はみんな
さださんの特徴である高域を変えずに歌っているが
僕はコスモスも掌もかなり低く歌っている。
これは僕の趣味もさりながらフランス語の詩の内容と
フランス語での表現による所が大きい。
3曲ともフランソワ・ロゼが仏語の詩を書いてくれた。
後の2曲はフランスのいわゆるシャンソンでムルージが歌った
<いつの日か>と19世紀の歌<さくらんぼの実る頃>を
恩師菅美沙緒の日本語詩とジャンバチスト・クレマンの
フランス語詩を混ぜて歌ってみた。
全曲美野春樹の編曲で僕好みのしゃれた
音作りになっているのが嬉しい。
楽器も少なくピアノ、ベース、ドラムのトリオが
基本になって曲によってサックス、トランペット、
ギターが入っている。
美野さんの素晴らしいピアノを初めすべての演奏者は日本の
素晴らしい方々が来て下さった。
もちろんパリから来てくれたパトリックが
アコーディオンで特色ある音色を聞かせてくれた。
今までの僕の世界ににない音の世界の中で一つ一つの歌を
作る事が出来た。
7月中旬に発売が予定されている。
自分が選んだ奥さんを初めて両親や友人に披露する時の様に
何だか少しどきどきしている。
僕と同じ様に多くの人が好きになって欲しいと思って。

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コメント

ブログのレイアウトが新しくなったのですね。爽やかないい感じです。


投稿: えむこ | 2009年5月22日 (金) 22時24分

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