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2008年9月15日 (月)

リーガロイヤルホテル京都のディナーショーとフランソワ

このブログでも書いた事があるフランソワ・ロゼが
久し振りに日本に来た。
来日は3度目、8年ぶりである。
8年前僕が東京で歌った時アコーディオン奏者のパトリックと
一緒に来てくれた。
フランソワは詩を書き曲を作り自分で歌も歌う。
僕は彼の歌が好きでレパートリーの中にいくつも入っている。
彼の歌の詩はカレイドスコープでのぞいた絵画のようで
多くの場合言葉の意味が幾重もの層になって判じ絵を
見ている様に面白いものがいくつもある。
走馬灯が廻る様に歌は次々と場面を変えながら進んでいく。
言葉遊び、比喩、言葉のポリホニーがふんだんにある。
以前はフランスの詩の伝統に則って韻をふんだんに使っていたが
このごろは脚韻をほとんど使わずにもっと言葉を自由に使う事に
したと言っている。
9月8日のリーガロイヤルホテル京都でのディナーショーは
今年で17年目を迎えた。
同じ歌手を17年もの長い間毎年それも遠くフランスから
招聘して下さる事は非常に希有なことだと思っている。
大変有り難いことで何よりもまずこの
リーガロイヤルホテル京都の皆様に心より
お礼を言わせて頂きたい。
それと同時に長い間毎年お越し頂いているお客様にも
心よりお礼を言いたい。
今年も盛況のうちに終わる事が出来、
感謝の気持ちで一杯です。
この8日のショーで僕を応援してくれるために今年8年ぶりに
フランソワが京都に来た。
ディナーショーの中で彼は最新作の自分の持ち歌を一曲歌い
その他に8年前に僕のために書いてくれた<プチルフラン>と
古いシャンソン<河は呼んでいる>を二人で歌った。
彼の来日は急に決まったためにプログラムにも何処にも
フランソワの名前は無く、当日のお客さんはプチルフランの
2コーラス目で彼が歌いながら客席に入って来て
初めてわかった。
予想以上のハプニングだったみたいで会場は大いに湧いた。
僕は久し振りの彼とのステージが嬉しくて、楽しかった。
フランスにはディナーショーと言うものはない。
ないというと嘘になるが特にホテルのディナーショーなどは
存在したとしてもプラーベートな催しなので、
例えば会社の何十周年の記念パーティとかファッションショー
のアトラクションとか、いわゆる一般の人が
お金を払って行くものではない。
ライブハウスの様なものは昔から存在するのでそこで
食べながら聞くと言う事はある。
フランスのステージで育った僕はディナーショーと言うものを
日本で経験するまで全く知らなかった。
特に僕とって難しいのは話をしなければならないこと。
コミック出身ではない僕には大変な仕事である。
フランスの歌手たちはステージで噺家の様には
話さない。
歌手は歌でステージを作り漫談の人間は話術で舞台を構成する。
日本では話術に長けている歌い手が結局は残ると
言われた事がある。
僕は歌手がステージ上で長話をするのは好きではないので
最初はとても抵抗があったが郷に入れば郷に従えとはよく
言ったものでこのごろは話の技量も才能もないので
まだストレスにはなるが抵抗は薄れて来た。
ともあれ特にデイナーショーでは楽しい話を期待して来られる
お客さんも少なくはないという事実の前にただでも
非常に上がり性な僕は息が詰まる程胸がドキドキして頭が
真っ白になる。
歌詞を忘れたらどうしようと同時にうまく話せなかったらという
フランスでは思ってもなかった恐怖に毎回襲われる事になる。
その上にディナーショーはステージのコンサートとは全く異質の
もので大いに雰囲気というものが重要視されている。
お客さんはじっくり歌を聞くというよりもいつもは身近で
見られないスターを身近に見て歌を聞くという体験をして、
同時にその場はファッションサロンであり社交場でもあるように
見受けられる。
ということは僕の様なスターでない歌い手はどのようにすれば
いいのか、いつも戸惑ってしまい、
結局納得出来る様な妙案を見つけ出せないままに
17年が経ってしまった。
今年も華やかなお客さまの陰に隠れてしまわないようにと
祈りながら舞台に出た。
幸いショーの間、頭は真っ白にならずお客さんの笑い声も多く
無論多くの拍手も頂き、
無事17年目のリーガロイヤルホテル京都での
ディナーショーの幕は降りた。
今しがたフランソワからパリには無事着いた、日本の
皆様にくれぐれも宜しくというメールが届いた。
お越し頂いた皆様本当にありがとうございます!

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コメント

京都のディナーショー盛会だったようですね!
行かれませんでしたが、パリから応援に駆けつけられたフランソワロゼさんのサイトがメインページのリンク先にあったので開いてみました。
いくつかシャンソンを聴くことができて、しばらくのあいだ不思議で穏やかな世界に浸りました。

投稿: えむこ | 2008年10月11日 (土) 10時52分

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