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2007年4月 4日 (水)

コンサートが終わりました

東京、六本木にあるSTB139,スイートベージルでの
ライブが昨日終わった。
昨日の東京は冬に戻ったように寒い1日でおまけに
雨までがちらついていた。
ありがたいことに早くから完売状態になり大勢の人が
チケットが手に入らず御迷惑をおかけしてしまった。
一人でも多くの方に聞いて頂きたいと望んでいる
僕にとってはほんとうに残念で、申し訳ない事をしたと
思っている。
何ぶん、客席の数がそんなに多く無くその上に普通の劇場のよう
に立ち見席とかが作れない場所なので御理解のうえ
許していただきたい。
そして足をお運び頂いた皆様に心からお礼を申し上げたい。
ありがとうございます。

今回は僕にとって<美しい日本語で書かれた日本の歌を歌う>
という大きな課題、挑戦が待っていた。
ただでさえ緊張の極限に達した状態でステージに出て行くのに、
その上に渡り切らなければならない大きな河が目の前に
あるような気分だった。
お聞き頂いた皆様の感想はどんなだろうと考えているけれど
僕自身はまあなんとか沈まずに渡り切れたような気がしている。
茨木のり子さんの<生きているもの、死んでいるもの>それに
<わたしが一番きれいだった時>の2曲では
詩を歌う事の難しさをいや程に思い知らされた。
綴られていることばで色がつき、音が奏でられて
歌に相当する世界が詩の中ではすでに出来上がっている。
そこにもう一つ別の音が付き、歌うと言う別の世界に
その言葉達を連れて行かなければならない。
気持よく自然に息をしている言葉達に全く別の空気の中で
生きることを強制するようなことになりかねない、
難しく神経を遣う作業をすることになる。
運良くそのひとつひとつの言葉を死なさずに、そう、何となく
文楽の人形遣いのように、その言葉がすでに持っている力も
形も美しさも無くさずにうまく自分の身体に取り込んで
再び放つことができれば、そのことばたちは歌のなかで
生きて行く事ができる。
これは初めから歌われ、演じられる事を目的として書かれた
歌詞とは全く違う作業になる。
そういう意味では今回も茨木のり子さんのこの2曲は
最高に難しかった。
谷川俊太郎の詩、武満徹曲の<三月のうた>も
西条八十の詩に服部良一が曲をつけた<蘇州夜曲>
も歌う歌として作られたものなので日本語を歌う難しさは
あっても僕はあくまでもこれらの言葉を
自分の言葉として好きなように形作って行くことが出来た。
もっといろんな日本語の美しい歌を見つけて歌いたいと
思い始めた。
やっと日本語のことばで音の絵を書く楽しさを
見つけたように思う。
今まで洋服ダンスしか無かった家に和ダンスが増えたような
気分がする。
う〜〜ん、と次はどんな日本語の歌を歌おうか?
パリではフランス語で新曲がほぼ何曲か出来上がっていると
メールが届いた。
昨日は手も足も冷たくなってまるで死人のように
ひたすら始まる時間を待ち、いつものようにこの仕事を
選んだ事を大いに後悔していたのに、
もう次回のことを考えている。
自分でもいったいどういう神経をしているのか、
精神分裂気味なのかと心配かつ不思議に思える時である。

もう2週間でパリへ帰る。
5月8日にパリ市内の劇場で行われるジャズフェステイバルに
ブリジット・フォンテーヌのミュージシャンと一緒に
出演するために。
もうきっとパリではマロニエの花が咲いているだろう。
桐の花も、リラの花も。
次回の帰国は9月になるだろう。
また京都でも東京でも歌う予定になっている。
その時には来てくれはりますやろか?

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コメント

とてもすてきなコンサートでした。
おいしいお食事、おいしいお酒、そして、すてきで楽しいコンサート、すばらしい春の夜でした
、フランス語の歌も、日本語の歌もどちらもよかったですね、日本語の歌も、歌詞を思い、歌われるそしてしゃべられる、ワサブローさん、もっといっぱいコンサートやテレビ、ラジオに出ていただきたいと思っています。
がんばってください、これからのご活躍を期待しております。

投稿: オスカル | 2007年4月 9日 (月) 14時19分

こんばんは!武井さんからの連絡でこのサイトを見つけました。以前に見たのとは又変わったのですね。
ワサブローさんのまめな事、コンサートが終わったらすぐにブログに書き込まれて・・・
パリのジャズフェスティバルでの様子と写真大変興味深く読みました。ワサブローさんの魅力たっぷりの歌声に観客は引き込まれて水を打ったようになったのでしょうね。考えただけでもゾクッとします。でも、時間の関係で短縮されたなんて・・・残念だったことでしょう!
益々つやのあるお声が楽しみです。
12月15日野洲でお待ちいたしております。

投稿: 道城 義子 | 2007年5月17日 (木) 22時48分

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